2018.10.03
大塚 小雪(Star FACTORY)
  • Person
  • 天王寺・新世界・住吉

profile

短大卒業後は1年間カナダに留学。2016年に帰国し、株式会社Star FACTORYに入社。現在は編集ライターとしてのスキルを磨くため、そして自分の新たな可能性を探るべく、日々勉強中。趣味は、旅行とスノーボード。三度の飯より柴犬が好き。

新世界の包丁の伝道師

新世界の包丁専門店に観光客が殺到のワケとは!?
和包丁に魅せられたカナダ人が営む
「TOWER KNIVES OSAKA」

通天閣に串カツ目当て、地元民で賑わう将棋クラブやスマートボール。そんな下町情緒溢れる大阪の観光名所「新世界」で、日本人も知らない包丁の魅力を発信する外国人がいるのはご存知でしょうか?
その正体はカナダ出身、デンマーク育ちというビヨン・ハイバーグさん。
彼が営む包丁専門店「TOWER KNIVES OSAKA」は、国内外問わずリピーターが多く、1度に15本買うというツワモノもいるほど!
はたして、人々は何故こんなに和包丁の魅力にとりつかれるのか、その魅力に迫ります。
日本の包丁を世界に伝えたい、オーナーの熱意が込められたお店
ディープな空気が漂う新世界で包丁専門店「TOWER KNIVES OSAKA」を営む店主・ビヨンさん。 23歳の時にバックパッカーで大阪に訪れた時に「兄ちゃん泊まるとこあるんか?」と声をかけられ大阪の人情のあたたかさに感動し、来日を決めたのだと言います。

通天閣からすぐにあるお店に入ると、Tシャツを着た大柄なビヨンさんがお出迎えしてくれました。 店内には、堺市で生産された「堺打刃物」をはじめ、約400種類ほどの包丁がずらりと並びます。 日本人だけでなく海外の方のリピーターも多く、自分用のほか、家族や友人にも渡したいと大量に購入していく方も多いのだとか(なかには15本買った方もいたそうです)。

人気の秘密は包丁の質の良さはだけではありません。 「包丁を売るんじゃなくて、包丁を説明するのが僕たちの仕事。職人はいい包丁を一生懸命作っています。だからこそ、僕たちが職人の代わりになって包丁の魅力を発信していかないといけない」と話します。 しかし、最初の頃は外国人が包丁のことを説明してもなかなか信用してもらえませんでした。 そこで英語で説明するだけじゃなく、日本語で全部説明できるようにと猛勉強。 その努力が認められ、地元の板前さんたちにも口コミで広がっていったのだそうです。 そんなビヨンさんですが、今では大阪弁も達者です。 包丁研ぎ実演の時には、”大阪の水”と書かれたペットボトルを持って「包丁研ぐときは、やっぱりこの大阪の水やないとな~」とジョークもお手の物!大阪人よりも大阪人らしいかも知れない彼と話すのも楽しいですよ!
  • ▲通天閣から徒歩1分ほどの距離にある新世界の包丁専門店「TOWER KNIVES OSAKA 刃物工房」。
  • ▲包丁の種類は店内にあるだけで約400種類。スタッフさんが丁寧に説明してくれるので安心です。
▲お店の和包丁を使って、人参やトマトを切る実演をしてくれました。「この包丁で切った人参の断面を触ってみて」とビヨンさん。凸凹が少なく、驚くほどに滑らかでツルツル。「切れ味の良い包丁は、食べ物の繊維を潰さないので、素材本来のうまみが残る。ドレッシングをかけても染み込まないので、野菜本来の味を感じることができます」。お客さんも試し切りOKで、切るのが楽しくなるほどの切れ味に何度も試す人が多いのだとか。
  • ▲包丁の研ぎ方を無料でレクチャーしてくれます。刃の角度は、1円玉2枚くらいの角度でゆっくり研ぐのがコツ。
  • ▲日本人はもちろん外国人観光客が多いため、日本語をはじめ、英語、中国語、フランス語、デンマーク語の5ヶ国語に対応しています。
  • ▲店の奥では、職人さんが包丁作りに励んでいます。こんなに間近で見られる機会はなかなかありません。
  • ▲説明していくうちに刃物が好きになりすぎて、堺市の「藤井刃物製作所」に弟子入りしたスタッフさんがいるというから驚きです!
  • ▲本店は開業当初ビルの2階でしたが、通天閣の近くに本店を移転。「TOWER KNIVES OSAKA 刃物工房」にはない商品を置いています。
  • ▲堺の知名度アップに貢献しているとして、入り口には、堺市の竹山修身市長から受けた感謝状が飾られています。

PICK UP!

普段見られない、包丁作りの現場を間近で体感!!

「TOWER KNIVES OSAKA 刃物工房」内では、毎週木曜日に堺市の「藤井刃物製作所」の藤井啓市さんをはじめとした、兵庫県三木市、岐阜県関市など全国各地の職人さんが包丁作りを披露してくれます。熟練の職人が丹念に製作する姿は圧巻!説明を聞くだけでなく、実際に見ることで包丁への理解を深めるだけでなく、職人さんと一緒に写真を撮ったり、包丁にまつわるお話を聞けるチャンスです!