2018.10.05
大塚 小雪(Star FACTORY)
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  • 天王寺・新世界・住吉

profile

短大卒業後は1年間カナダに留学。2016年に帰国し、株式会社Star FACTORYに入社。現在は編集ライターとしてのスキルを磨くため、そして自分の新たな可能性を探るべく、日々勉強中。趣味は、旅行とスノーボード。三度の飯より柴犬が好き。

西成にあるクラフトブリュワリー

平日朝8時、クラフトビールに浸る飲んべえのオアシス
西成に突如現れたブリュワリー直営のビアパブに潜入!

90年代、暴動の街だった大阪・西成。昭和レトロな雰囲気が漂う駅から徒歩1分、パチンコ店や民宿などが立ち並ぶ萩ノ茶屋エリアに、西成らしからぬオシャレなビアパブが誕生したのをご存知でしょうか?それが「Ravitaillement(アビタイユモン)」。“朝からビール”が許される飲んべえの聖地で、平日からゆったりクラフトビールに浸ってみませんか?
大阪市民も足を踏み入れないディープな街でビール作りに挑む
「また来たで~!!」
いつもの声が店内に響き渡り、お客さんのほとんどは見知った顔なのでしょうか。
「俺は社長の知り合いや!とおっしゃる方が多いんですよ、”自称”知り合いが(笑)それもまた、西成らしさ何でしょうかね」と話す「DerailleurBrewWorks(デュレイラブリューワークス)」直営のビアパブ「Ravitaillement(アビタイユモン)」の社長・山﨑さん。

朝からクラフトビールが飲めるお店として2018年1月にお店をオープンし、生粋のビール好き、地元民、西成マダム、外国人バックパッカーなど幅広い層の方が訪れます。

営業時間のメインは朝から夕方まで。
店名はフランス語で「補給地点」を意味し、「麦で作ったエナジードリンクが飲めるスポット」という意味で自転車用語の中でビアパブに適しているのではと、ロードバイク好きの山﨑さんが名付けたのだとか。
「生活保護の方とかがいるエリアという中で、朝から飲むというのは良くも悪くも西成の文化。そういう意味でも、朝から気持ちよく、かつデイリーな価格帯で飲めるのがうちのコンセプトです」。
8:00~11:00まではモーニング営業をしており、TAPLISTからお好きなビール(M)を100円引き+日替わりのアテorアタリ前田のクラッカーが付いた朝飲みセット400円~、11:30~14:30はTAPLISTからお好きなビール(M)+日替わりのおばんざい4種の昼飲みセット1000円。
店内には、山﨑さんの好みでセレクトされた漫画がずらりと並び、本を読みながらちびちびと飲む、カフェ使いとしてできるのがこのお店の魅力です。

ビールを作るきっかけになったストーリーが、また面白いんです。
「俺らは昔、西成で酒を作ってたんや!と言い張る方がたくさんいらっしゃったんですよ。そんなことあるわけないと思うでしょ?でも大体のエピソードが似通っていて、作ってた人数やエリア、時期。それらが不思議なことに一致するんです。もしかすると、あながち嘘ではないのかなって。そんな話をファンタジーの形で実現させてみたくてビール作りを始めました」と山﨑さん。
金髪のお姉さん、色白の女性といったエピソードをもとに、アメリカからやって来た女の子が教えてくれたレシピという設定で、アメリカのクラシカルなビールであるペールエールをデビュー作に、と作られたのが「西成ライオットエール」です。
カラメルの甘みから覗くほんのりとした苦みと香り。
甘すぎずバランスが良く、入門として飲んでいかれる方が多いのだそう。
また、お店では毎月1~2種類のオリジナルのクラフトビールを発売しているので、来るたびに違った味を楽しめるのが嬉しいですね。
今後は醸造所の2階にゲストハウスとしてオープンし、部屋の壁にタップを付けて宿泊者は飲み放題というのを考えているのだそう。
西成の街を愛し、楽しいこと、面白いことに挑戦し続ける山﨑さん。
彼に魅了され、通う人も少なくないでしょう。
昭和の雰囲気漂う萩ノ茶屋に、スタイリッシュなオシャレビアパブが誕生。100mほど歩いた所に醸造所があり、希望者は見学も可能。
おしゃれなカウンター席もあり、1人でもふらっと立ち寄りたくなります。漫画が読めるのもポイント。
ポスターやラベルのデザインは、山﨑さんのご友人が担当。ひと目で興味を惹かれる世界観が魅力的です。
琥珀のような深みのある色合いの西成ライオットエール。お店に訪れたら、まず最初に飲んで欲しい一杯です。
おつまみには、西成ライオットから揚げ(通称:ライから)がオススメ。スパイスが効いていてビールが進みます!
コースターを裏返せば、8%割引のクーポンに。これに釣られてついつい通ってしまう常連さんも多いのだそう。

PICK UP!

ピンクの髪がトレードマーク!異色の経歴を持つ醸造長

「DerailleurBrewWorks(デュレイラブリューワークス)」の醸造長を務めるアプサル・アーロンさん。実はこの方、元々はお客さんだったんです!その当時は奈良で英語教師として働いていて、お店に来るためにわざわざ有休を取って通っていたというアーロンさん。ある日、社長・山﨑さんと意気投合。昔、アメリカ・シアトルでビールを作っていたという話を聞き、すぐさまスカウト!今では、お店の欠かせない存在になっています。