2019.06.15
チーム★リコリス
  • Person
  • 江坂・千里中央・豊中

profile

大阪ビジネスカレッジ専門学校マスコミ学科所属の学生ライターチーム
人員:3名
趣味もタイプもまったく違う3人が集結しました!
上田望結(写真上)
趣味が沢山ある19歳。読書と旅行、音楽鑑賞を主にしています。1度気に入ると隅々まで調べ、すぐ飽きる特徴を持っています。しかし、ディズニーだけは飽きることがなく、小さい頃から好きです!
黒木彩風(写真中央)
韓国人になりきれない19歳。韓国のアイドルが好きすぎてアイドルの誕生日になるとイベントが無くても韓国に行ってお祝いします。好きなものに一直線です!
井上和音(写真下)
ピーターパンにも大人にもなりきれない19歳。関ジャニとEXILEとアニメが好きと三足の鞋。音楽が好きで初心者の癖にベースをほぼ即決で買った。好きなものはトコトン好き!

2025年「大阪・関西万博」に向けて〜“永遠の万博少年”白井達郎さんに密着取材 vol.1

万博と共に人生を歩んできた永遠の万博少年、白井達郎さんに密着取材!vol.1

1970年初めて日本で開催され、日本中を熱狂の渦に巻き込んだ日本万国博覧会(以下「万博」)。テーマは「人類の進歩と調和」。今回は、万博ミュージアム館長の白井達郎さんに取材させていただきました!白井さんと共に2025年に向けて、万博の魅力を知っていく記事第1弾です!(2019年1月29日取材)
「万博ってどんなんなるかな、ってワクワク感」
始まる前から万博が楽しみだった白井少年
「当時、万博が開催されると発表された後から、あちこちで道路工事が増え、鉄道が伸び、万博へのアクセスが出来上がっていったんです」。万博開催のニュースがあった時、小学生だった白井さんは街の変貌に衝撃を受けたそうです。「万博ってどんなものになるのか、テレビや新聞で流れてくる情報に『会場はこんなになるのか!』『こんなとこ行きたいな!』とずっとワクワクしていました。2025年の万博も、あともう少ししたらパビリオンの計画が毎日のように新聞に載るでしょう。楽しみで仕方がない!」と、少年のような笑顔で話してくださいました。

また、待ちどおしい2025年万博を今から楽しむ方法としては、これからどんどん公開される情報など、新聞や雑誌に掲載されたものを切り抜きするなどしてスクラップしてたらいいよ、と教えてくださいました。なんと白井さんは2025年万博開催決定の日の新聞を全国各地30数紙も集められたそう!驚きの声を上げた私たちに「各社でどんな表現をしているか違いを見たりします。コレクターっていうのはそれも楽しみなんですよ」と、平然とおっしゃいました。
「なんぼでも、楽しみ方はいっぱいある」
全部を好きにならなくても、何か一つ好きなことがあれば楽しめるのが万博
「鉄道ファンの人ならこんな駅ができる、こんな車両が通る、駅がこんな風になる、そんなことを楽しんだり。建築が好きな人ならどんなパビリオンができるのか。アニメが好きな人だったら、好きなキャラクターがどんな活躍を魅せるのか。万博の全部を好きにならなくてもいい、自分の好きな分野で楽しんでいけばいいんです」

白井さんは、万博の楽しみ方をそんな風にも語ります。確かに、そうやって考えると万博のことをあまり知らなくても、自分の興味ある分野から関わるきっかけができそうです。お話を聞きながら、少し万博が身近なことになったような気がしました。
「全部覚えてるけど、一番の宝物は日野皓正さんのサイン」
大好きな万博の思い出の中で一番大切なもの
1970年の万博開催時、高校生になって万博でアルバイトをしていた白井さんは当時、ジャズがお好きだったそう。「なんと万博でジャズトランペット奏者の日野皓正さんにばったり出会い、いつもポケットに入れていたサイン帳にサインをもらうことができたんです!」今でもそのサインは大事に残されていて、たくさんグッズを持っている中でもそれが一番の思い出なんだと、とても嬉しそうに語ってくださいました。
「自分が万博グッズのカタログを作りたいなって」
白井さんの願いは後世への“正しい”情報の伝達
白井さん曰く、万博は1990年頃まで忘れられた存在だったのだとか。その頃まで万博グッズは、フリーマーケットなどで格安で売られていたそうです。「万博グッズのカタログはなく、どんなグッズが作られたか資料も少ない。だから自分でカタログを作りたいなって思ったんです」そんな思いで2016年にグッズコレクション集をKADOKAWAと一緒に作られました。

「こういうことをやりながら、万博のことを聞きたいと言ってくれる人たちに万博のことを正しく伝えたい。中途半端な情報の又聞きで、間違いが間違いを呼ぶようなことを避けたいなと思っているんです」白井さんはそう熱く語られました。
「現在は考える時間」
2025年万博に向けての想い
2025年の万博について質問すると、現在は考える時間だという回答をいただきました。2018年に大阪での開催が決まって、学生が主体となってパビリオン出展を目指す動きなど、新しいアイデアが次々に出されてきています。「実際万博に行くなら半年間開催期間があるので、時期によって混み具合に差があるかも知れません。1970年の万博では後半になればなるほど混んできたんですが、今度は5月3日が開催初日でゴールデンウィーク期間中なのでいきなり混み合うんじゃないかな」とも教えてくださいました。また「情報収集は大事だけれど、間違った情報や変な噂に流されてはいけないです」と、強い口調で語られました。

白井さんは、2025年の万博が今はまだ大阪中心でしか盛り上がっていないのを、全国規模の盛り上がりに持っていきたいとのこと。「たとえば東京で万博展をしたいし、来年の大阪万博50周年に向けて回顧イベントもしたいと考えているんです」白井さんの2025年万博に向けての想いは、これからもっともっと膨らんでいきそうです。
「ともだちの家のセット、あれ、私の提供」
驚き!20世紀少年の映画のセットは白井さんの提供!?
少し万博に触れている漫画『20世紀少年』(浦沢直樹・作/小学館出版)。映画第2巻で「ともだち」と呼ばれる登場人物の家にはたくさんの万博グッズがありましたが、それは白井さんが提供されたものだったそう!作中でグッズや家はすべて燃えてしまいます。すると映画を見た白井さんの知人の方たちから「燃えてしまったけど大丈夫なんですか?」と、たくさん声をかけられたそうです(笑)
万博当時と現在を見比べながら、万博記念公園内に今も残る歴史を巡るツアー!
インタビューをはじめる前、万博記念公園内を案内していただきました。白井さんが用意してくださった現在のマップ(右写真)と、当時のマップ(左写真)を見比べながら辿っていくツアーとして、EXPO’70パビリオンなどもまわっていきます。
万博記念公園に着くまでの間にも、白井さんは当時のことを話してくださいました。当時万博内の時計はすべて電波時計で、時間がぴったり統一されていたそう。50年も前に!?と考えると、とても画期的です。
万博と言えば太陽の塔!万博記念公園に入ると一番最初に出迎えてくれます。まずは白井さんと一緒にパシャリっ!これからEXPO’70パビリオンをまわっていきます!......の前に、白井さんがゲートの前に移動されて、おもむろに1枚の写真を取り出されました。白井さんご自身で撮影された写真らしく、撮られた時の位置と現在の位置を重ねて当時の様子を説明してくださいました。
公園内のあちこちに当時の面影が
移動の際、橋(左写真)を渡りました。なんとこの橋の先に一番人気のパビリオン、三菱未来館があったそうで、白井さんの写真には当時のごった返す人々の様子が写されています。そこに並ぶ人があまりにも多く、急遽別経路の階段が作られたそうで、今も残るその階段に当時の行列の写真を重ねて見せてくださいました。
トイレのピクトグラムは看板こそ新しいものの、デザインは当時のままだそうで、男性のマークと女性のマークは横のラインがぴったりくっつくんだとか!?
いよいよEXPO’70パビリオンの見学へ
館内に入ってすぐ、白井さんの解説がはじまりました。天井を見上げて感心顔の二人。その後もツアー中、「へぇ〜!そうなんや!」の声が止まりませんでした。

ここEXPO’70パビリオンは1970年大阪万博当時の出展施設であった鉄鋼館を利用し、博覧会の記念館としてオープンされたそうです。
階段を上がってすぐのところに、当時来館記念として置かれていた記念スタンプが。このスタンプについても白井さんの解説が入ります。私たち学生は必死にスタンプを押しています(笑)当時の来館者たちもこうしてスタンプを集めていたのでしょうか?
ほかにも語り尽くせないほどたくさんの見どころと当時の風景が詰まっていました。全容を知りたい方は白井さんのツアーにぜひご参加ください!
万博の歴史を追う
(※EXPO’70パビリオン特別展「万博を追い求めた日本〜万博黎明期から現在まで〜」は2019年2月25日で終了しました)
EXPO’70パビリオン特別展では、日本の万博だけでなく、世界の万博の軌跡も記されていました。当時のグッズや絵、説明書に加えて白井さんの解説もあったので、なぜだか遠い国の、遠い過去の万博を身近に感じることができました。また大阪万博当時、実際に太陽の塔の中にあった、破損してしまった像や、ミニチュアの模型などもあり、少しずつ万博の魅力に惹き込まれていきます。
白井さんの少年らしさが目の前に!
解説を聞きながらツアーをまわっている時、水辺で当時の写真と見比べていると白井さんが何かを発見!「ん?あれ、この写真の石じゃない?」と、欄干を越えて写真を撮りに行ってしまいました。本当の少年のようで少し危ないと思いつつも、クスリっと笑ってしまった瞬間でした。