2021.03.31
チーム★3px
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大阪ビジネスカレッジ専門学校マスコミ学科所属の学生ライターチーム第二期生

二宮 仁矢 一等兵(写真左下)
何にでも首を突っこみたがるタイプ。気づけば似た色の服ばかりを買ってしまっているのが悩み。

山本 蒼一郎 二等兵(写真上)
気に入ったらとことんマッスグ。最近飼い亀の態度が冷たいのが悩み。

山田 陽虎 三等兵(写真右下)
ちょっぴりポンコツな能天気野郎。ベランダがいつまでたっても全く片付かないのが悩み。

大阪が誇る吹奏楽団『Shion(しおん)』にインタビュー

大阪にはプロの吹奏楽団がある!『オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ』と音楽監督、宮川彬良さんにインタビュー!!

(※2019年12月20日,23日に見学、取材させていただいた内容を記事にしたものです)

✨『Shion(しおん)』ってなんぞや?
大阪にはプロの吹奏楽団があるって知っていましたか?その名も『Osaka Shion Wind Orchestra』、5年ほど前まで「大阪市音楽団」の名前で活動されていた交響吹奏楽団です。愛称の「しおん」という響きは大阪人なら一度は聞いたことがあるはず、というくらい有名なんですよ!

今回は私たち、大阪ビジネスカレッジ専門学校マスコミ学科の取材チーム“3px”に、吹奏楽女子の山田さんを加えた4人で取材をしてきました。『Shion』についてのアレコレはもちろん、なんと音楽監督に就任されている宮川彬良さんにもインタビューできちゃいました!後半でたっぷりインタビューの内容に触れるので、ぜひご期待ください。


さて、先ほど一口に「プロの吹奏楽団」と言いましたが、プロということはつまり・・・楽団員の皆さんは『Shion』の演奏活動でお金をもらっているということ。そして当然『Shion』の楽団員になるためにはオーディションがあって、多いパートだと1人の枠に対して40〜50人の応募があるほど、厳しいものなのだそうです。

さらに『Shion』は、プロの楽団の中でも「吹奏楽」のプロです。日本全国を見ても「プロの交響吹奏楽団」というものは数少なく、その中でも『Shion』は3本の指に入るとのこと。それだけの応募人数も納得です。

つまり、何が言いたいかといいますと・・・。

「とっても演奏がうまい人たちしかいないからぜひ聴いてみて!!」

ということなんです。

今回の取材では、宮川彬良さんからのご提案もあり、リハーサルの生演奏を聞かせていただく機会があったのですが、とにかく圧倒されました。テレビや映像で間接的に観たり聴いたりするのとは全く違う、「音の圧」というものが肌で感じられ、これこそ観に行った人だけの特権だと思いました。ぜひ『Shion』の演奏を生で聴いてみてください!

✨『Shion』の吹奏楽
「音楽も何も知らない人が熱狂する、そんな現象が起きないかなと思っている」と、広報の方はおっしゃいます。

2019年、ラグビーブームが起こり、ルールを知らない人たちも熱狂していたのはまだ記憶に新しいこと。そういう現象が吹奏楽でも起きてほしいのだと、そんな願いをこめて演奏しているのだというのです。

まさに「ワンチーム」───音楽も一人一人では味気ないけれど、みんなでまとまって、一丸となって演奏して、そうして観客の方から貰える拍手喝采はとても気持ちいいのだと語ってくださいました。

そして『Osaka Shion Wind Orchestra』の強みは、なんと言っても「多種多様なコンサート」でしょう!

「楽団のコンサート」と聞くと、どうしてもクラシックなどを連想してしまいがちです。しかし『Shion』では、あの国民的ゲームの「ドラゴンクエスト」や、アニメ「僕のヒーローアカデミア」など、オーケストラとしては意外なほど私たちに身近な曲をコンサートで演奏してくれるのです。

高校野球出場校の吹奏楽部が、流行りのJ-POPを応援曲として演奏しているように、吹奏楽というものは演奏する曲のジャンルを問わないといいます。上に挙げたドラクエやヒロアカが良い例で、『Shion』はほんとに幅広く身近な音楽を演奏して聴かせてくれます。

さて、『Shion』は大阪市営であった頃を含めると、1923年(大正12年)に誕生していて、日本で最も長い歴史と伝統を誇る交響吹奏楽団です。以前は大阪市営ということで市民の方向けの演奏活動が中心でしたが、2014年に民営化されてからは市外でのコンサートも含め、さらに活動の幅を広げています。

上に書いたようなゲーム音楽やアニメ音楽のオフィシャルコンサートなど、『Shion』はさまざまな団体や地域とコラボしてのコンサートも開催しているので、この記事を読んで興味を持っていただけた方は、ぜひ一度『Shion』の公式サイトを覗いてみてくださいね!

✨筆者のこばなし
個人的に今回の取材で驚いたことがあります。

みなさん、ハープという楽器はご存知ですよね?あの楽器は単に指で弦を弾いて音を出すものだと今まで思っていましたが、どうやら違うようで・・・。ハープって、手だけじゃなく足まで使って演奏するんですよ!知っていましたか?
↑見せていただいたリハーサル風景の一コマ。こんな感じで足元にたくさんペダルがあるんですよね。こんなの見たことなかった・・・。

✨宮川彬良さんにインタビュー!
いよいよ待ちに待った宮川彬良さんへのインタビューです!

宮川彬良さんは、ぼく(筆者)の世代だとNHKの子ども向け音楽番組「クインテット」に出演していた「アキラ」さんという印象が強いです。あの「マツケンサンバ」を作曲された方といえばピンとくる人も多いのではないでしょうか。

今回はそんな有名な方にインタビューすることができるということで、取材チームのメンバー皆、本当に緊張しました・・・。子どもの頃テレビで見ていた人が自分の目の前にいる・・・。それだけで緊張MAXでした!

そんなドキドキを胸に、いざインタビューに出陣!

案内された部屋には、忙しいスケジュールの合間を縫ってくださったという宮川さんが・・・。何度も書いてしまいますが、緊張し過ぎて上手く喋れていたかどうか記憶も怪しいくらいです・・・。

しかし緊張してばかりもいられません。ぼくたちがもらえた時間はわずかで、自己紹介もほどほどに、早速質問です!

─────

Q.宮川さんが一番好きな曲はなんですか?

「一番好き、かぁ・・・(笑)正直、今まで関わってきた曲の数が多すぎてパッと浮かばないね(笑)」

でしたら、宮川さんが作編曲された中で、ではどうですか?

「あー・・・それだったら、『私のお気に入り』って曲かな?これはぼくが吹奏楽用に編曲した曲で、けっこう昔の曲だけど、今でもとても好きだね」

取材のあとで調べてみたのですが、この曲は「サウンドオブミュージック」というミュージカルの劇中歌のようです。メロディーを聴けば、音楽に疎い自分でも知っているくらい有名な曲でした・・・!

─────

Q.宮川さんがここ『Shion』の音楽監督に就任されたのは、なぜですか?

「以前、大阪で『なみはや国体』という体育大会があって、ぼくはその行進曲を編曲したんだけれど、そこで演奏してくれたのが『Shion』で。そのとき思ったのが、ここの楽団は良い音を出すなってことで。それがきっかけで、ぼくはこうして音楽監督をしているんだよ」

偶然結ばれた縁がこうやって大きくなって、そして音楽監督というとても重要な役職に就かれたなんて・・・。とてもステキなことだなと感じたエピソードでした。

─────

Q.リハーサルで、演奏が終わって次の曲に移るときに必ず「ありがとう」とおっしゃっていたのが気になります

「演奏者の皆には、感謝とリスペクトの気持ちを持っているから、かな。言われてみると、自然とそう言っているような気がするね。指揮者のぼくが出してほしいと思う音を、皆それぞれが応えて出してくれる。ぼくのわがままに付き合ってくれている“感謝”と、ぼくの要求に必ず応えてくれる皆の技量への“リスペクト”を、ぼくは「ありがとう」という言葉で表しているのかもしれないね」

このお話を聞いたとき、思わず感嘆の声が漏れてしまいました。指揮者がいないと演奏者は迷子になってしまうし、演奏者がいないと指揮者は自分の音楽を表現できない・・・。どちらが強くなってしまってもダメで、ステージの上ではどちらも平等に「音楽の表現者」であらなければならない・・・。大げさかもしれませんが、ぼく(筆者)は宮川さんのお話を聞いてそんなことを考えました。楽団の皆さんのそういう関係が、とてもステキだなと思います!

✨さいごに
宮川彬良さんへのインタビューは本当に短い時間でしたが、とても有意義なひとときでした!広報の方からもお話を聞かせていただき、そしてリハーサルまで見学させていただいて実際に『Shion』の生演奏を聴くことができました。

ぼくたちチームにとって何もかもが全く新しい体験で、「音楽」というものを耳だけではなく肌で感じとることができた取材だったと思います。

大阪にお住まいの方だけでなく、この記事を読んでくださった方には、ぜひとも『Shion』の演奏を生で聴いていただきたい!と思います。『Osaka Shion Wind Orchestra』をお見知りおきあれ!